〈紙面連動〉
紙版「西広島タイムス」休刊前の最終号となる4月号1面では、現在進行中の廿日市市の大きな都市開発事業を取り上げました。平良の山林区画で現在、造成工事を行っている新機能都市開発事業、その向かいの二重原(にえばら)地区でこれから本格的な工事が始まる未来物流産業団地造成事業、廿日市市役所の周辺を再開発を目指すシビックコア地区整備事業です。
本ページでは、その三つをウェブ上でも分かりやすいよう再構成しまとめました。読んでぜひ、私たちの街のこれからの姿に思いを巡らせてみてください。

新機能都市開発推進事業(平良丘陵開発)
平良の山林区画約70ヘクタールを整備する大規模開発です。市を含む地権者で構成する「平良丘陵開発土地区画整理組合」が業務代行者として西松建設㈱を選定し現在、土地造成工事が進められています。宮島SAから工事の様子が見えることから、見たことがある方も多いのでは?開発エリアは「観光交流エリア」、「工業エリア」「多目的エリア」の三つに分けられます。

観光交流エリア(約15ヘクタール)には、150〜200室規模のホテルのほか、飲食や物販など約70店、温浴施設、ミュージアムなどが計画されています。県内企業を中心に40社以上が協業や出店に意欲を示しており、「広島の美しいものづくり」を体験できるエリアを目指します。鍛造や箔押し、繊維など広島の産業を体験できる施設も構想中。
モデル施設は、三重県の複合リゾート施設「ヴィソン」。巨大な箱ではなく、小規模な建物が点在する「村」のような景観がイメージされています。西松建設の担当者は「夕方に『ちょっと行ってみる?』と話すような、近隣の人にも身近で愛される施設にしたい」と話しました。
また、廿日市市が観光交流エリアの一画(約2・4ヘクタール)を取得し、公園や木育体感施設といった公共的なエリアを整備する計画があります。仮称は「もくたまパーク」。公園はイベントや、災害時のヘリ着陸にも対応できるよう、大型遊具は少なめの設計になる見込みで、木育体感施設には子供が体を動かして遊べるスペースや、大人も楽しめる本格的な木工工房、カフェ、観光案内所などを設置予定。廿日市市木材利用センターの一部機能移転も検討されています。

ほかに都市部や宮島口、中山間エリアなどと結ぶバスターミナルの設置も計画されています。市の公共エリアを含む観光交流エリアは、2029年度に順次開業予定です。
工業エリア(約15ヘクタール)には、市内外の民間企業20社の進出がすでに決定。製造業や運送業が多く、市内企業の移転・拡張が目立ちます。2027年10月には造成工事が完了し、その後各企業による建築が始まる予定です。
また周辺道路の整備も進められます。現在は国道433号からのアクセスとなりますが、将来的には、西広島バイパスとも接続し、利便性の向上が期待されています。
残る多目的エリア(約2ヘクタール)は、地権者の住宅など換地を中心とした個別利用がされる見込みです。
未来物流産業団地造成事業
平良丘陵の向かいに位置する、二重原(にえばら)地区で進められている約24・2ヘクタールの開発事業。平良の工業エリアを上回る土地需要があったことから、2022年に新たな事業用地として整備が決定されました。

今年2月に着工し、27度末には土地の造成が完了、28年度4月の土地引き渡しを目指しています。現在は調整池などの防災工事が進んでおり、企業募集はこれから。26年の下半期には造成工事が本格的に始まり、森林の伐採などで景観も大きく変わるでしょう。
シビックコア地区整備事業
廿日市市役所周辺の再整備を目指す計画で、2024年に策定された「廿日市市シビックコア地区(国道2号以南)まちづくり基本計画」をもとに進められています。行政機能を地区内に集約・再編することで、都市機能の向上を図ります。具体的には、図書館の移転拡大や、市役所駐車場の拡張、歩道整備のほか屋内の子供の遊び場づくり、木材加工業の歴史の展示スペースなどの構想がされています。
市は今後、住民などとの勉強会や個別訪問を重ねながら、土地区画整理や市街地再開発などの手法を検討していく方針です。
市役所は1997年に現在地へ移転しましたが、合併などを経て庁舎が手狭になっているそう。国道2号以北のエリアでは駅周辺の整備が進んだ一方で、以南エリアでは住宅と工場が混在しており、今後のまちづくりが注目されています。
編集後記
本特集のタイトルは、1987年の弊紙創刊号1面「羽ばたけ、我がふるさと」から拝借しました。
創刊号では、「廿日市」が市政移行し「廿日市市」が誕生する、といったニュースを取り上げておりました。創刊号で廿日市市の誕生を扱ったのだから、最終号では廿日市市の未来の姿を少し提示できればどうか、と考え、4月号で都市開発を扱いました。皆様、今まで取材へのご協力、温かい支援、誠にありがとうございました。

