廿日市市阿品台のお好み焼き屋「とん子」 開業当初の味守り半世紀へ
廿日市市阿品台のお好み焼き屋「とん子」が、のれんを掲げ来年で半世紀を迎える。1962(昭和37)年に開業し、現在は初代店主の娘・笹倉豊子さん(69)が2代目として、当初の味を守り続けている。
とん子は、広島市西区横川町で母の船田小文さんが創業した。現在の店主・豊子さんの幼少期の呼び名「とんちゃん」が店名の由来。83(昭和58)年に現地に移転し、今年で三十八年が経つ。
看板メニューのお好み焼きは、開業当時から変わらないという。生地、キャベツなどの野菜、麺、豚肉、卵を重ねるベーシックな品。生地には、初代から伝わる秘伝のレシピがあり、粉のままでも食べることができるほど下味がしっかりしているそうだ。
作り方も昔ながら。笹倉さんによると、生地、野菜、肉、麺の順で重ねるのが今の主流。だが、同店では生地と野菜の間に麺を入れる。さらに開店当時から使っている「押さえ」を乗せ圧を掛けるなど、当時の作り方にこだわっている。
客のほとんどがリピーター。廿日市市民が多く、主婦やサラリーマン、大学生など客層は幅広い。横川の店に通っていた客が変わらぬ味を求めに来たり、4世代にわたり通う家族もいるそうだ。高校生のころから利用する30歳代会社員は「無性にとん子のお好み焼きが食べたくなる時がある。おふくろの味ならぬ広島の味」と、少なくとも一カ月に1回の頻度で顔を出すそうだ。
「とん子のおばちゃん」と親しまれる笹倉さんは「お客さんの応援と、家族の支えあってこそ。それに母が見守ってくれていると思うと頑張ることができる。この味を求めて来てくれるみなさんの期待に長く応えられるよう、生涯現役で焼き続けたい」と笑顔で話す。
取り扱うメニューは、お好み焼き(600円)、焼きそば(550円)、焼うどん(同)が基本。トッピングにイカ天やもち、ねぎ、チーズなどがある。おすすめは、お好み焼き(そば)のイカ天入り(680円)。鉄板で熱々を食すのが良いそうだ。
とん子
広島県廿日市市阿品台4丁目23-28
☎ 0829-39-2353
午前11時〜午後7時。不定休。持ち帰り・地方発送が可能。
定員は屋内外合わせ9人。事前予約が望ましい。
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