広島市佐伯区の広電楽々園駅。駅出入り口の宮島街道側を表とすると、裏の出入り口側(北側)の線路沿いに1本の道路が通っています。
その道を広電五日市駅方面に向かうと、左側の古い民家の前に突如現れるのはなんと「平清盛像」!(写真は広電楽々園駅方面を向いているので、像が右手側にあります)
高さは、台座を含めて約2.4m。全身青緑色で、束帯を着て丈の高い烏帽子を被っています。扇子を持った右手を伸ばし、真っ直ぐ前を見据える目。今まさに何か言葉を発しようとしている様が、像であるにも関わらず威厳を感じさせます。
とはいえ、閑静な住宅街に平清盛像があるので、「ナニコレ!?」と思わずにはいられません。
持ち主で、民家の住人の木村岳(がく)さんに話を聞きました。
平清盛像は今から三年前、木村さんが福岡県のリサイクルショップで購入。「軽トラックの荷台に像を乗せて、高速道路を通って連れて帰ってきました。高速道路では大注目を浴びましたね」と、当時を振り返って笑います。
平清盛像を設置した木村さんの家は元々、祖父母が住んでいました。木村さんが譲り受け、部屋の一部を「フリースペース西国街道」として地域住民に開放。近隣の高校生や大学生が自主勉強したり、インストラクターがベビーヨガ教室を開いたりするなど、地域のコミュニティー施設となっています。
木村さんが「フリースペース西国街道」の目印になる何かが欲しいと考えていたとき、偶然見つけたのがこの平清盛像。「佐伯区にゆかりのある佐伯景弘と平安時代、密接な関係にあったのが平清盛。だからこの場所に置くことを決めました」(木村さん)。
木村さんによると、NHK大河ドラマ「平清盛」が放送されたとき、地域を盛り上げようと像が作られ、広島県内5ヶ所にそれぞれ1体ずつ設置されていたそうです。放送終了後、数体の行方が分からなくなっており、この平清盛像はその内の1体。木村さんは「できれば、ほかの平清盛像も探したい」と話します。
生まれも育ちも楽々園だという木村さんが、地元に貢献したいとの思いで始めた「フリースペース西国街道」。かつて平家一族の栄華を築いた平清盛を彷彿とさせる像が、さまざまな交流とアイデアが生まれるこの場所を見守り続けていきます。
フリースペース西国街道 |
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場所 |
広島市佐伯区楽々園1丁目1−22(Googleマップ) |