設置義務から十年。住宅用火災警報器の点検を
「自宅の住宅用火災警報器は大丈夫ですか?」ー。火災をいち早く察知し知らせる住宅用火災警報器(以下、住警器)の設置が全住宅に義務化され、今年で十年がたちました。住警器には寿命があり、電池切れしたり、電子部品が劣化し火災を感知しなくなったりして、十年が交換の目安とされています。広島市佐伯区の広島佐伯消防署が、9月から住警器の維持管理の啓発を始めました。五日市駅南北自由通路に横断幕を設置し、もしもの時に備え、住警器の自己点検を呼び掛けています。
消防法の改正で、同市では2011(平成23)年6月から全ての住宅に住警器の設置が義務付けられました。同消防署によると、同市内の設置率は約90%になります。
住宅火災で亡くなった人の大半が逃げ遅れだそうです。住警器があれば、火災を早期発見し、素早い避難や初期消火にもつながります。設置していない場合に比べ、設置した場合の死者数・消失面積がいずれも半減するデータもあります。
義務化前後に設置した家では、交換時期を迎えるか、すでに経過している可能性があります。設置しても、作動しなければ意味がありません。同消防署予防課の藤本健一課長は「万が一の時のためにも、定期的な点検をしてください」と少なくとも年2回の点検を促します。住警器のボタンを押したり、ひもを引いたりして、問題ない場合は正常を知らせる音声や警報音が鳴ります。反応しない場合は、電池切れや故障の可能性があります。正常に動作する場合でも、本体に記されている製造年数が十年を過ぎていた場合は、電子部品が古くなっているなどして、正常に動作しない恐れがあるため交換を勧めています。
啓発は、9月1日〜21日の「住宅防火・防災キャンペーン」に合わせて実施。駅改札正面に縦0・9m横3mの横断幕を掲げるとともに、JRの協力で構内放送でも呼び掛けています。同市消防局でも消防車で地域を回り注意を促しているそうです。
藤本課長は「大切な人を火災から守るため、今一度、家庭の住宅用火災警報器を確認して、場合によっては交換してください」と喚起しています。