「新年を迎えた子どもの俳句から」
新年を迎えた俳句を見つけました。しっかりした家庭文化から生まれたものです。
しめかざり すずめもふくも やってくる
お正月にしめかざりを家の玄関に取り付けたのでしょうか。せっかく飾ったのですがお米を食べられてしまいました。それに腹を立てるのではなく、すずめを受け入れ、新年を迎えた喜びが伝わってきます。
ほろ苦い 七草食べて 春を待つ
七草粥を食べる家庭は少なくなってきたようです。日本人は季節のものをいただき、食生活を豊かなものにしてきました。新年を迎えてもまだまだ寒さは続きます。一年の健康を願い、七草粥を家族でかこむ光景が目に浮かびます。
大そうじ 手伝い喜ぶ 母の顔
大掃除も日本の生活文化です。窓ふきや灯りの傘など隅々まできれいにした姿が見えるようです。そして、あなたがいてくれて助かると言うお母さんの笑顔を見て、やって良かったと思います。大掃除は人の役に立つことを学ぶ良い機会です。
目を見はる 遠い山には 初日の出
新年を迎えた喜びが表れています。この家庭は、みなさんで日の出を見たのでしょうか。闇夜から一か所、遠い山の空が次第に明るくなってきます。明と暗の世界が広がる作品です。
俳句はことばの感覚を磨きます。自分の発見と感動をことばにするとき、思い浮かぶことばを吟味します。より優れた表現を選ぶ力がつきます。四季折々のことばも使って身につけます。そして、もうひとつ。季節感の薄れてきた日本人に、俳句は季節を感じる心を培うものです。