一つひとつ手作業で、けん玉をチャーミングに
カラフルに色付いたけん玉が目を引く。花や動物などのイラストやハンダゴテを使うウッドバーニングで描かれたデザインなど、目にしたことのないけんと玉が並ぶ。無機質なけん玉をチャーミングに“変身“させたのは、ニコニコと笑顔の絶えないイラストレーターのほそいまさこさんだ。
ほそいさんは約十年前、勤務先でけん玉を作る職人の姿を見て「こんなに一生懸命作っているのだから、注目されるものにしたい」と思い立ち、けん玉に絵の具や塗料でイラストを描きSNSにアップするようになった。当時、海外でけん玉がブームだったこともあり「めちゃくちゃ売れるようになったわけではないけど、企業からの依頼でコラボ商品を描いたこともあった」と言う。けん玉界には今も、世界中に彼女のファンがいると聞く。
当初はペイントだけだったが、けん玉は遊び続けると傷が付いたり色が剝げたりする。「それでもけん玉は飾るより遊んでほしい」と願い、色の剝げないウッドバーニングでのデザインも制作するようになった。一つひとつ手作業。下書きもしないそうだ。
以前の勤務先を辞めた現在も、けん玉ショップの店長として毎日けん玉と過ごす。土日の店内は、朝からプレイヤーたちが集い、初対面であってもプレーを通じて交流が始まる。「けん玉1本でみんながつながる空間にいるのが楽しい」と、好きなものに囲まれた日常を満喫する。
ほそいまさこ(40)
広島市西区在住。イラストレーター。廿日市市のKendama Shop yume 店長も勤めながら、インスタでイラストをアップするなど活動している。
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