全国各地から集めるけん玉コレクター
三十九年前から集め続けたというけん玉の数は、250個を超える。地元・廿日市市で作られたものをはじめ、東北、中部、関西地方など全国各地から取り寄せた。高さ40cm以上のずっしりした存在感のけん玉から、10cmに満たない小さなものなど多種多様。色やデザインも多彩。ずらりと勢揃いしたけん玉は壮観だ。
眞部さんはデザイン建築の仕事を経て、30歳のとき妻の実家のある廿日市市へ引っ越してきた。木下運送株式会社へ入社したころ出会ったのが、同市で最初にけん玉を製造した歴史を持つ株式会社本郷の代表だった。
初めて商標登録されたけん玉「日月ボール」を見たとき、けん玉への関心が高まった。元々、伝統工芸品など希少価値のある品物を集める趣味を持っていた。自分で調べたり人に聞いたりして、けん玉のことを知れば知るほど「とことんやってみようと思ってね」。
仕事の傍らオークションサイトを見張る生活は今も続く。持っているけん玉一つひとつに、手に入れるまでのエピソードが詰まっている。
はつかいち観光協会の役員を務め、2014年のけん玉ワールドカップの初開催に尽力するなど、同市のけん玉の発展を支えた。昨年は、廿日市市けん玉製造100周年を前に同観光協会が催した展示会に古いけん玉を提供。今後も必要があれば、所蔵するけん玉の寄付や展示に協力したいと考えている。
眞部幸嗣(69)
木下運送株式会社代表取締役社長。伝統工芸など芸術品を好み、自宅には全国各地から集めた骨董品が多数ある。けん玉の技は「できない」と苦笑い。
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