11月は、厚生労働省が定めた「過労死等防止啓発月間」。
この期間中、同省では、長時間労働が行われていると考えられる事業場などに対する重点監督や、労使の主体的な取組の促進を行っています。
また、各地で「過労死等防止対策推進シンポジウム」を実施したり、全国一斉の無料電話・SNS相談を行っています。
廿日市市の現状
廿日市労働基準監督署の藤田章仁監督課長にお話を伺いました。
藤田さんによると、昨年、広島労働局では、監督指導の対象になった477事業場のうち201事業場(42.1%)で違法な時間外労働を確認し指導を行いました。また、過重労働による健康障害防止のための指導も、289事業場(60.6%)で行われました。長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積の要因。具体的には、時間外・休日労働が月45時間を超えて長くなるほど、脳・心臓疾患発症との関連性が強まります。
同署では、長時間労働や賃金の未払い、ハラスメント、雇用・解雇の揉め事など、労働全般について悩みや不安・疑問を電話で相談できる「労働条件相談ほっとライン」(利用無料)の気軽な利用を呼び掛けています。
また、各事業所に過重労働を防ぐための、働き方改革推進支援助成金も案内しています。
藤田課長は「過重労働を防ぐには、国民一人一人の協力も大切。日常生活の隣には必ず働いている人たちが存在している。そんな働いている人たちの存在を少しでも感じて、思いやりの心を持ってもらえれば」と話されました。
電話相談「ほっとライン」
廿日市労働基準監督署が勧める、「ほっとライン」。厚生労働省が設置している労働に関する電話相談窓口です。
労働者・使用者に関わらず誰でも無料で、全国どこからでも利用できます。違法な時間外労働・過重労働による健康障害・賃金不払残業などの労働基準関係法令に関する問題について、専門知識を持つ相談員が、法令・裁判例をふまえた相談対応や各関係機関の紹介などを行います。セクハラ・パワハラ・マタハラなど職場のいじめや嫌がらせについての相談には、専門の相談窓口を案内します。
《労働条件相談「ほっとライン」》
電話番号 | フリーダイヤル 0120-811-610 |
日時 | [月~金]17:00~22:00 [土・日・祝日]9:00~21:00 ※12月29日~1月3日を除く。 |
過労死等防止対策推進シンポジウムin広島
11月29日(金)は、広島の「過労死等防止対策推進シンポジウム」が開催されます。
過労死・過労自殺の労災認定、損害賠償事件に取り組む松丸正弁護士の基調講演や、もみじ銀行が自行で行っている取り組み事例の発表などがあります。
会場は中区八丁堀の「広島YMCA国際文化センター本館B1F 国際文化ホール」。事前予約が必要で、下記の詳細ページから申込みに飛べます。
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