県立宮島工業高校(廿日市市物見西)の卒業生で鹿屋体育大学(鹿児島県)自転車競技部の川本莉子さんが、5月に開かれた「第92回全日本自転車競技選手権大会トラック・レース」(静岡県)の女子エリート チームスプリント種目で優勝しました。
タイムは55.785秒で、2位との差はわずか0.003秒。僅差の勝負を制し、日本一に輝きました。
チームスプリントは、3人一組で1周250mのトラックを3周走行。対戦相手と同時にスタートし、1周ごとに先頭を走る選手が抜け、最終走者のフィニッシュタイムが記録になります。
川本さんは本来、長距離種目の選手。今大会はけがをした部員のピンチヒッターで参加しました。決勝では第1走者を担当。チームは第2走者が終えた時点で負けていましたが、最終走者で見事逆転。優勝が決まった瞬間を川本さんは「うれしくてたまらなかった」と、満面の笑みで振り返ります。
小学生のころから陸上競技に打ち込み、高校2年生のとき、自転車好きの先生の勧めで自転車競技に転身。直後の「第25回西日本チャレンジサイクルロードレース」のU23で1位を獲得するなど、実力を開花させました。
現在、練習での走行距離は多い時で一ヶ月約2,000km。1回で100km走ることもあるそう。「陸上で培った体力がいかされている。でも、もっと長い距離を走れるようにならないといけない」と目標を掲げます。
川本さんは6人兄弟。家族は全国各地である大会に駆けつけてくれるそうで、その応援が力になっています。「陸上のコーチ、高校の先生、家族、これまでいろいろな人にお世話になった。大学時代に全日本の大会の長距離種目で優勝して、結果で恩返ししたい」と、闘志を燃やしています。
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