ぬか漬けした食材でさまざまな洋食メニューを展開する「糠漬工房 Nipote(ニポテ)」が2022年7月、広島市西区三篠町にオープンしました。
ぬか漬けと聞くと野菜のイメージを強く感じますが、Nipoteでは肉や魚介もぬか漬けにして調理します。国内でも珍しいという「ぬか漬け×洋食」のコラボレーション。まだ味わったことのない新しい味覚を体験できます。
ぬか漬けで程良い塩味に
契約農家から基本的に有機や無農薬の旬野菜を直接仕入れ、明治17年創業の米卸業㈱カツヤ(広島県安芸郡海田町)の鮮度ある米ぬかに漬けます。丁寧に漬けられた野菜は程よい塩味を帯び、来店客にも「あっさりして食べやすい」と好評だそう。
数種類の野菜が食べやすい大きさにカットされ鮮やかに盛り付けられた「野菜 旬の盛り合わせ」は、バランスの取れた塩味が食欲をかき立ててくれるので、前菜におすすめ。食事の途中の口直しにもちょうど良いですね。
「パスタ 豚肩の糠みそ炊きラグーソース」は、ぬか床と白ワインで炊いた豚肩肉を使用。ほろほろと柔らかい豚肩肉とパスタを絡ませて食べます。
デザートにもぬかが登場。「バニラアイス 煎り糠がけ」は、煎ることできな粉のようになったぬかを、アイスクリームにかけています。
幅広いメニューに使われている、ぬかやぬか漬け。「こんな料理に合うんだ」という発見があるのもNipoteの魅力です。
代表の達川雄策さんは「ぬか漬けにすると食材が柔らかく食べやすくなるし、塩味も入るので下味の余計な塩分も不要。また、ぬか漬けには腸内環境を整える植物性乳酸菌も豊富。“腸活“におすすめです」。コロナ禍で健康意識が高まる昨今、Nipoteの料理に注目です。
ぬか漬けの可能性を広げる
達川代表と藤原晋介シェフは大学時代の同級生で、当時から「いつか一緒に何かやりたいね」と話していたそうです。和洋中などさまざまなカテゴリーを模索する中、趣味でしていたぬか漬けに興味を抱いたといいます。ぬか漬けについて調べていくうち、他にない料理を生み出せる可能性におもしろさを感じ、Nipoteのオープンにつながりました。
「Nipote」はイタリア語で「孫」という意味。「多くの人が初めて口にしたぬか漬けは、たぶん自分のおじいさんやおばあさんが作ったものだったと思うんです。田舎に帰った時に食べさせてもらうような。そんなふうに家族の中で紡がれてきただろうと感じたので店名にしました」(達川代表)。
今秋にはテイクアウト、オリジナルの古漬ドレッシングの販売をスタートさせます。達川代表は「ぬか漬けをもっと身近に感じてほしいので店内で実施するワークショップを企画中。そのために店舗工事の段階からキッチンを広めに作りました」と、さらなる展開も考えています。
また、今後はぬか漬け以外の発酵食品全般にも視野を広げたいそう。日本が紡いできた発酵食品を「趣を変えて料理に取り入れ、周囲を驚かせたい」。Nipoteの挑戦から目が離せません。
店名 | 糠漬工房 Nipote(ニポテ) |
住所 | 広島市西区三篠町2丁目6-15(Googleマップ) |
電話 | 082-909-9350 |
営業 時間 | ランチ 12:00〜14:30 ※予約不可、火曜・水曜はランチ営業無し ディナー 18:00〜22:00 (L.O21:00) ※予約可 ショップ 12:00〜22:00 |
定休日 | 火曜日 |
駐車場 | なし (近隣にコインパーキングあり) |
SNS | インスタグラム |
※文中の価格は税込です。
※当サイトの掲載内容は、取材または公開したときの情報に基づいています。予告なく変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。