vol.18 3歳のおたんじょうび
◇2016年11月
近くに住むばぁばの家で、娘の3歳の誕生日会。みんなでケーキを囲んで誕生日をお祝いした。
娘は大好きな“Happy Birthday~♪”のお歌を「はっぴばーで~ちゅ~る~♪」とご機嫌に歌って、ろうそくの火をふぅ~ふぅ~ふぅ~と上手に吹き消した。
(「ふぅ~」が上手になってる!
確実に昨年より成長してる!)
私にはほんの少しの成長が嬉しい。
みんなにこにこ楽しそうな雰囲気が好きなのか、お祝いしてもらっているのが嬉しかったのか、娘はこの頃から年じゅう「はっぴばーで~ちゅ~る~♪」と手拍子しながら口ずさみ、歌詞の名前のところはいつも自分(笑)。歌い終わると「おめでと~‼」の全力拍手まで!
言葉もゆっくりだけど少しずつ増えて、「おくすり のんだ!」と主語+述語の2語文も。内容がせつないけれど、立派に2語文。
出てくる単語はまだまだ少なくて。甘えん坊で食いしん坊な娘は「だっこ!」「食べたい」「おいしい」「飲みたい」など、ほぼ要求を伝える単語のみ。「ワンワン」など最初に覚えそうな単語でも、物の名前を覚えるのは難しかった。
1年前、2歳の誕生日にはまだ病気の兆しすらなくて、その時には想像もしてなかった3歳の誕生日。本当にいろんなことがあった1年だったとしみじみ…。
いっぱい病院に行って、たくさん検査をされて、血液検査の為にしょっちゅう注射されて、毎日毎日嫌いな薬を飲まされて・・・
「1年間本当にえらかったね! 」と、私は娘をたくさん褒めた。
この頃は、増やした薬がちょうど効いて一時はてんかん発作がゼロになったり、奇跡的な2語文が出たり、保育園で加配の先生をつけてもらえて過ごしやすくなったり、いろんなことが良い方向に向かっていて。
薬が効いて発作がなくなるように、少しずつでも言葉が増えるように、そして、毎日娘がにこにこ楽しく過ごせるように、4歳の誕生日も元気にお祝いできるように、祈るばかりだった。
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。