河内地区で防災の日制定 豪雨災害追悼集会に120人
1999(平成11)年6月29日に豪雨災害で多くの犠牲者が出た広島市佐伯区河内地区で27日、追悼集式「6・29忘れまい集会」があった。河内公民館横にある石碑前で執り行われた式典には住民ら約120人が参列。新たに今年から「河内防災の日」に定めることを決め、災害を風化させまいと思いを新たにした。
式では、同地区自主防災連合会の藤田忠延副会長があいさつに立ち、国土交通大臣から2021年度の土砂災害防止功労者表彰を受けることを明かした。最後に「いつ発生するか分からない災害に備え、住民や関係機関・団体の支援・協力をいただき災害に備えたまちづくりに取り組みたい」と力強く結んだ。
参列者は、「忘れまい大災害」と彫られた石碑前に並べた犠牲者の遺影に献花。手を合わせ一礼し哀悼の意を示していた。
河内防災の日は、同連合会が独自に制定した。県警本部通信司令室から「魚切地区で土砂災害が発生し県道41号線が通行できない」と第1報が入った同じ午後2時50分にサイレンを鳴らす。毎年、続けることで、災害の教訓を次世代に継承していく。
杉田精司会長は「二十二年が経ち、今後も災害があったことを忘れないためにも続けたい。月日が立ち景色が変わり傷跡も薄らいでいる。防災の日を制定することで、忘れ去らないよう取り組んできたい。ハード面は難しいが、ソフト面、特に避難の大切さについて呼び掛けていきたい」と話している。
河内地区6・29豪雨災害
6月29日の河内地区の雨量は観測地の魚切ダムで225㎜を記録した。午後2時—3時が最も多く63㎜。91カ所で山崩れ・崖崩れが発生した。住宅は計61棟が全半壊、田畑は854㌃、道路・橋梁は41件が陥没や崩壊。10人の命を奪い、11人の負傷者を出した。