小児科や産婦人科にサ高住も 地御前に官民複合施設が来年1月末竣工
廿日市市地御前で医療拠点整備に伴う官民複合施設の建設が進んでいる。産婦人科や小児科の診療所、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などの民間施設棟と、産前産後サポートセンターや多目的ホールなどの公共施設棟からなる建物。事業主体の㈱学研ココファンホールディングスは、来年1月末に同複合施設の竣工を予定。公共施設棟は供用開始は来年4月を、診療所などの民間施設棟は同時期に棟内の全てのテナント開業を予定している。
廿日市市によると、複合施設全体の敷地面積は約4500㎡。民間施設棟は、9階建ての鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は約4860㎡。1階にはコンビニエンスストアや調剤薬局。2階には、産婦人科、小児科、精神科の医療モールが入る。3階は、保育園と学習塾、通所介護施設など。4階から上の階は、サ高住が占める。
公共施設棟は、3階建てで鉄筋コンクリート造り。延べ床面積は約1690㎡。1階には、廿日市市の子育て支援センターと産前産後サポートセンターを設置。2階には、在宅利用・介護連携相談支援室、地域包括支援センターに、五師士会事務局を設ける。3階には、収容人数約150人の多目的ホールをつくる。
複合施設整備は、同市による廿日市市地域医療拠点等整備事業の一つ。複合施設の建設や運営などの事業者を市が公募し、同社を選定した。同社が建てた公共施設部分を市が約6億424万円で買い取る流れ。
同事業は、医療・保険・福祉の相互連携を図ることで、地域医療拠点のサービス向上や良好な居住市街地の形成などが目的。2014(平成26)年には、同市と広島県厚生農業協同組合連合会、JA広島総合病院が、旧イオン廿日市店跡地を活用した地域医療拠点整備に関する協定を締結。同病院の拡張や高度医療、救急医療体制の充実、市民の健康増進などに向け事業を進めている。
同市医療拠点企画室の奥新光徳室長は「地域医療を確保し、将来にわたり持続することが求められている。医療・保険・福祉が相互に連携し協力することが不可欠。官民複合施設ができることで、さらに住み良いまちにしていきたい」と話している。
6月9日現在、同社は、民間施設棟に入るクリニックを募っている。サ高住で働くスタッフも募集中で、入居者に関しては近々、受付を開始するそうだ。
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