廿日市市の認可保育園「つきのひかり国際保育園」が2021年12月、国際バカロレアの認定を取得しました。国際バカロレアは、グローバル化に対応できるスキルを身に付けた人材を育成する国際的な教育プログラム。国際バカロレア機構(本部・スイス)が提供しています。つきのひかり国際保育園は、認可保育園として日本初の認定園になりました。
2019年7月に認定のための候補園に選ばれ、二年四ヶ月かけて正式な認定園となったつきのひかり国際保育園。望月主税(ちから)統括園長は、「国際バカロレアは、教育システムとしての体系が整えられていて、世界的にもいろいろな学校に取り入れられています」と話します。
主体性を幼少期に養う
子どもたちの主体性を重んじ、子どもたち自身が学びを作る国際バカロレアの教育プログラム。望月統括園長は、幼少期から主体性を養うことが大切と考えています。
「生徒が一律に並んで、教壇に立つ先生が黒板に書いて伝える一方的な教育スタイルは、実は百年ぐらい変わっていません。これからの教育は、情報が簡単に手に入る時代に入手した情報を使って、いかに自分が主体的に動けるか、考えることができるかが必要とされています」。
例えば、つきのひかり国際保育園のハロウィンの行事は、子どもたちの探究心を掘り下げることから始まります。
子どもたちがハロウィンに興味を持ったら、子どもたち自身で調べます。「お化けの格好をする」と知ると、なぜその格好をするのか、クラスの園児と相談し合ったり考えたりします。
海外ではお菓子をもらうと知り「僕たちももらいたい」と思った子どもたちは、自分たちでハロウィンを説明する紙芝居を制作し、「こういう行事だからぜひ参加してください」と、自ら園の近所を回り呼び掛けます。
イベント当日、お化けや魔女の衣装を着た子どもたちが家々を回りお菓子をもらったそう。近所の人もカボチャのお化けの格好をして参加していたようですね。
「子どもたち自身が自分たちの興味に応じて学ぶ。自分たちで考える仕組みを先生たちが作っていきます。いろいろな意見があるので、話がまとまったりまとまらなかったり。先生たちの力量が求められますね」。
自分の意見を伝えることと同時に、相手の意見を受け入れることも大切。「子どもたちは、さまざまな意見があることを知り、多様性を感じ取ります。どの意見も良い。それが国際バカロレアの目指す教育です」。
完璧はない国際バカロレアの教育プログラム
「国際バカロレアに完璧はなく、常に変化します。大きな枠組みの中で、廿日市市という場所で園児のためのプログラムを、先生たちが考えて作り上げていきます」。
子どもたちが興味を持ったことをどうやって保育に取り入れるか、子どもたちにどんな声掛けをしたらいいか、保育士らも常に勉強しなければいけません。
系列の子ども園でも認定取得を目指す
国際バカロレア認定園になったつきのひかり国際保育園は、系列の子ども園が2園あります。「フルムーンインターナショナルこども園おおの」と、2022年4月に開園した「フルムーンインターナショナルこども園おおたけ」です。
望月統括園長は、残る2園も国際バカロレアの認定取得を目指します。
ずっと教育現場にたずさわってきたという望月統括園長。「日本に生まれてくる子どもたちや若い世代が将来、世界で活躍できて、日本という国がどんどん良くなっていく教育ができたらうれしい。個人的には、日本全体の園や学校がより良くなるような大きなことをやってみたいですね」。
つきのひかり国際保育園 |
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住所 |
廿日市市大野鯛ノ原625-1(Googleマップ) |
電話番号 |
0829-50-2280 |
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