東京2020オリンピック競技大会の開会式で、選手入場曲にゲーム音楽が使われたことは記憶に新しい。テレビの向こうの大舞台で耳慣れた音楽が響き渡り、気持ちが高ぶった人もいるのではないか。
中四国初のゲーム音楽専門の吹奏楽
「広島ゲームミュージックギルド」は2019年6月、中四国で初めてゲーム音楽を専門に演奏する吹奏楽団として立ち上がった。ファイナルファンタジー、スマッシュブラザーズ、ポケットモンスターなど、ゲーム音楽を専門に奏でる。20歳代〜40歳代の男女が所属。サックス担当の中村誠団長は、ゲーム音楽を奏でる魅力について「ゲームの主人公になって冒険したときの、熱く楽しかった記憶がよみがえる」と、少年のような眼差しで話す。
8月7日にあった吉島公民館(広島市中区)での練習には、15人が参加した。9月23日(木・祝)に広島文化学園HBGホールで開かれる「広島県一般吹奏楽連盟市民バンドフェスティバル」に向けて、音の強弱、重なりを確認。同じパートを何度も繰り返すなど、真剣に取り組んでいた。
ゲームには無数の曲があるにも関わらず、ほどんどは譜面がないという。同楽団は、団員の編曲担当者が譜面を起こし、ゲーム会社の許可を得て演奏する。中村団長は「独自に譜面を起こすので、私たちが演奏するのは世界初演の曲」と、やりがいを口にする。また、団員それぞれが演奏したい自分好みの曲をリクエストして譜面を起こすため、あまり知られていない曲にスポットをあてることもできるそうだ。
デザイナー、銀行員、営業マン、教師など団員の職業はさまざま
同楽団は、18歳以上の新たな団員を募集中だ。「吹奏楽が好き」「ゲームが好き」という共通の趣味で集った団員たちは、デザイナーや銀行員、営業マン、教師など異業種がそろう。中には吹奏楽を始めたばかりのゲーム好きの初心者もいる。
二井ひかる広報窓口係は「メンバーみんな趣味が一緒なので、(同団は)本当に楽しい。コロナ禍前、忘年会のゲーム大会はとても盛り上がりました」と、吹奏楽だけではない魅力を語る。
練習は、毎月第1、3土曜日の午後1時〜5時に広島市内で開催している。子守りしながらの参加もできるという。
詳細は、ホームページ(https://hgmg.online/)で確認を。