「考えを前に向ける」
授業では、「ふしぎだなあ。」「おもしろそうだなあ。」「なぜ、そうなるのだろう。」と不思議に思い、興味を持つことや疑問を持つことをきっかけに学習を始めます。初めは漠然とした思いですが、事象(教材)を見聞きするうちに、「学習課題を決め」、「学習内容や方法を見つける」ことをしていきます。この一連の過程で、子どもは「考える」ことをしています。子どもに、「もっと考えなさい。」と言っても、考える術を教えなければ考えることはできません。来週は算数のテストがあるから勉強しておきなさいと言われても、何をどうすればよいのかが子どもにはわかりません。その学習内容や方法を教えないでおいて、勉強しなさいというのは、教師でなくても誰でもできます。何が学習課題なのか見極め把握する力やどんな勉強をどうやって勉強するのか、その内容と方法を見つける力を育てるのが、教師です。
では、これで「考える」ことができるかというと、そうではありません。考えを前に向けるには意志力が必要です。ある目標に向かってやり通す意志の力を育てるのも教師です。
「もっと速く走りたい。」と思いを持った3年生がいます。目標を立てて、毎朝グラウンドを走っています。仲間ができたようで、競いながら走っています。「もっと速く走りたい。」と思いを持った4年生がいます。「わたしは、運動会で最後まで力を抜かないで走ります。」聞けば、昨年は最下位で力を落としてしまい、今年は力を抜かないと言っています。「リレーでバトンパスを成功させたい。」と思いを持った5年生がいます。ふだん目立った行動をとるタイプではないのですが、リレーチームのリーダーになり、バトンパスでスピードを落とさないことを目標にして、練習をしています。「リレーでバトンパスを成功させたい。」と思いを持った6年生がいます。1年生の時から走るのが遅くて、リレーでは足を引っ張ってしまうかもしれない。そうならないようにバトンを手渡す時には「はい!」と声でパスをする、バトンをもらうときは、後ろを向かないで声を合図にバトンをつかむ、2人の信頼を作りますと言っています。「応援係になってチームの力を上げたい。」と思いを持った6年生がいます。チームみんなの力が出るように、みんなをPush onする応援をすると言っています。運動会を前にけがをして競技に出られない子どもがいます。それでも係の仕事や応援や声掛けで役割を持って、居てもらわなくては困る人になっています。必要とされる人です。
考えを前に向ける子どもがいることをうれしく思います。希望を持ち、夢に向かって考えを前に向ける子どもを育てる学校にしていきます。