vol.13 発達指数50という現実
◇2016年8月
発達検査の結果通知の日。すでに5度目となる広島市西部こども療育センターへ。
同センターは綺麗で明るい雰囲気。通園している子どもたちの楽しそうな声が聞こえて、スタッフさんたちはいつも笑顔で対応してくださる。ここが暗い雰囲気だったら来るのがもっとつらかったかもしれない。
名前を呼ばれて診察室に入る。
小児科医の先生から、検査結果をまとめたシートを手渡される。
検査の結果、
娘の発達年齢は1.4歳。
この時の実年齢は2.8歳。
=発達指数50
という数字が出ていた。
娘は、運動能力に比べて、認知や言語部分の発達の遅れが顕著で、内訳としては運動1,8歳/認知適応1,3歳/言語社会1,4歳という判定だった。
発達指数とは子どもの発達の程度を数値で表すもの。実年齢の平均的な発達を100としたときの発達年齢の割合を表す。発達指数50~70は軽度知的障害にあたる。
発達検査での先生からの評価
・積み木が積めたのが5個まで。それ以上は積むよう言われても積む気がなかった。
・ビンのふたをあけて中の鈴を出すよう言われてもやらず持ち歩いた。
・車が箱の裏側に入っていったとき、裏側を通って反対に出てくるという予測が難しい。
・コップの赤青の青いコップに犬のおもちゃを入れてかぶせると、少ししたらどっちに入っていたか分からない→短時間の記憶が難しい。
・全体に言われたことをやろう、という相手の意図を汲む事が難しい。
先生は検査の内容や結果について丁寧に説明してから、療育手帳の取得を勧められた。
このときは保育園の年々小(2歳児)クラスで、先生が子ども5人に1人程度なのに対し、年少クラスになると一気に先生が減るので、普通の保育態勢よりはもう少しフォローアップがある方が望ましいとのことだった。
「療育手帳を取得すると保育園で加配保育士※をつけてもらえます。
娘(の名前)ちゃんが今楽しんで保育園に通えていることはとてもいいことですね。短時間でも加配がついてフォローしてもらえれば、保育園でやってることがもっと分かるしもっと楽しめると思いますよ」
私から見ても、4月に病気が分かったころからたった4か月で、周りの子と差が広がっていることは明らかだった。ある程度の遅れは分かっていたけれど、発達指数=50、軽度知的障害という診断は現実を突きつけられたようで、改めて病気と一緒に発達についても考えさせられることになった。
※加配保育士とは
障害の診断を受けた子どもを対象に配置される保育士。保育園や保護者からの申請に応じて配置される。子どもの行動を見守ったり、子どものペースに合わせて一緒に遊んだり、また障害を持つ子どもが、同じクラスの園児と円滑にコミュニケーションできるようサポートしたりして、保育園での生活に支障が無いよう手助けする。
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。