岡茂洋雄が全米シニアゴルフ出場 日本人では唯一
難病乗り越え全米初出場
脂の乗った32歳。左手首に月状骨軟化症という難病を発症する。「コップも持てず、地獄だった」。手術をすれば治る可能性はあったが、同時にプロを諦めないといけなかった。症状と向き合いながらプレーを続け、41歳の時に初シードをつかんだ。
約五年前には、ドライバーイップスに陥る。だが、フォームを根本的に見直すなど改善すると、昨シーズン、賞金ランキング3位に入り、全米出場権を手にした。
全米シニアには、全米・全英優勝経験者もいる世界のトップ選手154人が出場。岡茂は2打差で予選落ちしたが、技術的には十分手応えを感じたようだ。「選手の気持ちが本気だった。戦いに行っている感じで、ラウンド後も練習するほど。試合に臨む姿勢が甘いと感じた」と痛感する一方、試合に望む気持ちを学んだ。。
後進の指導にも力を注ぐ
今後に向けては「日本の大会で優勝したことがないのでタイトルを取りたい。55歳で引退しようと思っていたが、60歳をピークに現役を頑張りたい」と全米で大きな刺激を受け前を向く。一方、十年ほど前からは、ジュニア研修会を開催し子どもたちの指導にも力を入れている。研修会を巣立った選手がプロになるのもそう遠くないようだ。「教える方が楽しい。プロになれる逸材を育てたい」と白い歯がこぼれる。
岡茂洋雄(おかも・ひろお)
1968年12月24日生まれ。東広島市出身。身長180cm78kg。2020年日本ツアー8試合で2位3回、3位2回。最終戦まで賞金王を争いを演じ、最終獲得賞金は1815万8650円で賞金ランク3位に入った。