若鯉の活躍願い込め
カープ選手の活躍願う記念碑 湯ノ山明神に住民ら建立
広島市佐伯区湯来町の湯ノ山明神で、広島東洋カープとの縁をきっかけに住民らが地域を盛り上げてる。同明神に滝登りする鯉の彫り物があることから、広島東洋カープの新入団選手が参拝。住民団体「湯ノ山旧湯治場利活用検討委員会」が、選手たちの活躍を祈願した記念碑を建立した。さらに入口には、真っ赤な幕を掲げている。
同明神は、約270年前の江戸時代に建立され、現在、国の重要有形民俗文化財に指定されている。本殿・拝殿・湯屋を保存修理した際、本殿正面上部に鯉の装飾が見つかった。由縁で2018年から三年連続で毎年1月に新入団選手が祈願している。参拝後は、あずま屋のある広場で歓迎セレモニーを開き、選手が同区の木でもあるサクラを植樹している。同委員会では、広場を「若鯉の森」と名付けた。
石製の記念碑は、縦約1・6m横1・4m厚さ約5cm。「湯の山 若鯉(わかごい)の森」と記し、中村奨成選手ら2018年度〜21年度の入団選手計33人の名前を年度ごとに刻んだ金属プレートを取り付けた。同市の補助金を活用し作成し、今年3月にお披露目した。
一方、入口に掲げている幕は、同所で民泊を営む加藤房夫さんが個人的に作成。真っ赤な下地に「カープ参道 昇鯉坂 湯の山明神社」と書き、訪れる人を歓迎している。
同委員会では、参拝してくれる選手への感謝と激励のため、一昨年には由宇練習場であった2軍公式戦を応援した。プレートに記したドラフト1位の選手らは、今年、全員1軍で活躍していることに、同委員会の西尾保幸委員長は「気になっていたので、うれしい」と目を細める。「今後もできることなら新人選手が参拝に来てほしい。多くの人に湯ノ山明神に来てもらい文化財というのを再認識してもらいたい」と話している。