交差点に敷かれた引き扉のレール。私たちの生活を守る大切なものの名残だった。
廿日市市役所とゆめタウン廿日市の間にある廿日市市役所南交差点。多くの自動車やトラックが行き交うその交差点に、不自然なレールがあるのをご存知でしょうか?引き扉のレールのようですが、もし扉が閉まったら車は通ることができません。なぜ、このような場所にレールがあるのでしょうか?
レールの正体は、役目を終えた防潮扉
昔、同交差点の南側は、道ではなく海に面していました。台風や高潮の被害を防ぐため、1996(平成8)年に設けられたのがこの「廿日市−19」防潮扉です。
広島県港湾振興事務所の港営課の田島勇係長によると、廿日市-19の長さは22m、高さは1m。台風の上陸や高潮・津波警報発令のときに閉じられ、浸水から市民の生活を守っていました。
目の前の海が埋め立てられたあとの2015(平成27)年、廿日市−19は今後閉鎖しないと決まったそうです。
そうして道路ができても、防潮扉とレールは残ったまま。交差点にレールがあるのは、昔はこの場所が海だった名残ですね。
西側の廿日市−20防潮扉は閉め切り
廿日市-19の西側には、1997(平成9)年に設置された「廿日市−20」の防潮扉もあります。廿日市−20の長さは6m、高さは1m。こちらは閉め切ったままになっているそうです。
ちなみに、田島係長によると、広島県内には2471基の防潮扉があるとのことです。