
vol.9 仕事のはなし
◇2016年5月
(そろそろ仕事のことを考えないと・・・)
保育園を利用するには、基本的には仕事をしていることがルール。
「求職中」で保育園に入園した場合、3ヶ月以内に仕事を始めないといけないルールがあった。(申請を出すことでもう3ヶ月延長できる制度があります。※要確認)
せっかく入れた保育園。難病の娘を快く迎えてくださっている。何かパートでも始めて保育園は続けたいなぁと考えていた。
ゴールデンウィークが終わって、保育園も小学校もようやく落ち着いてきたある日の昼下がり。
私は自宅に届いていた便利な無料情報紙『西広島タイムス』を何気なくめくっていた。
『西広島タイムス』は地元の魅力的な求人情報が満載で、近くで仕事を探したかった私にはちょうど良い媒体だった。
(どんな仕事ならできるかな。時間の融通が効いて、通勤時間が短くて、あまりストレスにならずに、扶養内で・・・)
そんな風に考えながら見ていると、ある求人が目に留まった。
もともと東京の人材系の会社で働いていたこともあり、子育てで2年以上ブランクがあった私はそろそろ仕事がしたくてうずうずしていた。それでお姉ちゃんの小学校入学を機に、末娘の保育園を申し込んで仕事を始めるつもりだった。
まさかの難病発覚で、できる仕事の条件は変わったけれど、それでもやりがいのある仕事をしたかった。
『西広島タイムス』で見つけた求人は「広告営業」。仕事の内容は想像が付くし、事務所の場所も遠くない。だけど、募集されていたのは正社員。
(やっぱり広告営業なんてフルタイムじゃないと難しいよね。通院があるしフルタイムは厳しいなぁ。
でも、もし子育てに理解のある会社で、時間を調整しながら働けるならやってみたい…)
色々考えたけれど、勤務日や時間の融通が効かないようならすっぱり諦める覚悟で、だめもとで応募を決めた。
久しぶりに応募書類をまとめるだけでドキドキする。最近はパソコンで履歴書や職務経歴書が作れるのでとっても便利。
応募書類を投函してドキドキしながら待っていると翌日には連絡があり、面接へ。
面接の結果、とても理解ある女性社長は子育て経験もあり、お互いの条件を譲歩する形で採用が決まった。私は想定していたよりは仕事のバランスを増やし、でもお休みをもらいながら、幸い近くに住む両親の助けを借りながら、入社させてもらえることになった。

小さい子どもを持つお母さんにとって、仕事をするという事は大変なこと。
1日必死に働いたあと保育園のお迎えに走って、帰ったら子どもの相手をしながら夕食を作り、やっと寝かしつけたあとで洗濯まで!1日の終わりにはもう毎日ヘトヘト…。
しかも熱を出して保育園から呼出しがかかれば、仕事が途中でも「ごめんなさい」を繰り返しながらお迎えに行かなければならない。
子どもは熱を出すもの。嫌味を言われるより、笑顔で送り出してくれる理解ある職場だとどんなにありがたいか!
それは病気や障害があれば尚のこと。
娘の最初の検査が一通り終わっても、通院日は融通が効かないので定期的に仕事を休む必要があった。休む日の仕事は、なるべく迷惑をかけないように自分で調整した。でも私の働き方に理解を頂き、快く送り出してもらえる職場だったことは本当にありがたかったし、そうじゃなかったら働き続けられなかったかもしれない。
そうして仕事を決めたけれど、仕事をすることについて私にはまだ迷いがあった。
これから娘はどんな症状が出るかも分からなかったし、通院や投薬などもずっと続いていく。入院もあるかもしれない。いつ職場に迷惑をかけるかも分からない。
(そもそも、難病の子を保育園に預けてまで仕事をしていいのかな。 母親が一緒にいてケアしてあげなくていいのかな。)
そんな風に考えていた私は、保育園の個人面談で担任の先生の力強い言葉に背中を押してもらうことになる…。
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。