vol.7 今後の検査と治療方針
脳波の検査が終わって小児科の診察室に戻ると、見覚えのある脳のCT画像が映し出されていた。いちばん最初に脳外科病院で撮影した画像データだった。
白っぽい丸い部分が水玉模様のようにたくさんある脳の断面の画像。シロウト目にも明らかな異常。これを見るたびにきゅうっと胸が締め付けられる。
「いやぁ~多いですね~。これもこれも、これも、これもこれも、全部結節ですね・・・」と先生。
(見るからに多いなと思うけど、先生から見てもそんなに・・・)
不安になる私。
「まず、娘さんは結節性硬化症という病気で間違いないです。」
先生はゆっくりと説明し始めた。
「脳波検査の結果、多数のてんかん波形が見られます。てんかんは脳の発達に影響するので、まずは発作を薬でコントロールすることが最優先。たくさんの種類の薬があるので、場合によっては複数を組み合わせて調整していきます。
ただ、結節性硬化症によるてんかんは難治性の場合が多いです。
薬でコントロ∸ルできない場合は、外科的介入(=手術)を検討することになります。
結節(=良性の腫瘍のようなもの)が心臓・腎臓・肺・眼底・皮膚などにできる可能性があるので、まずはどこにあるか把握するためひと通り検査していきましょう。
あとは、小さいうちにこの病気を発症すると、多くの場合は発達の遅れを伴うので、療育センターも予約をとってください」
というようなことをたくさん説明を受けて、それぞれ大学病院の皮膚科、眼科、心臓・腎臓エコー、胸レントゲンなどなど予約して帰った・・・。
結節性硬化症は、先天性でありながら大人になるまで気付かずに過ごせる人もいるほど、症状の出方に個人差がある病気。薬が効いて発作がなくなれば意外と普通に成長できる可能性もある。
(まだ出ていない症状を心配するのはやめよう。 まずは目の前のたくさんの検査をしっかり受けないと!)
と、自分に言い聞かせていた。
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。