vol.5 保育園入園式
◇2016年4月2日
衝撃の難病診断からわずか1週間後。
娘の保育園入園式の日を迎えた。娘は2歳と4ヶ月。
前年末に保育園の入園申し込みをしたときには何の症状もなかったのに!
わずか数ヶ月のうちに、娘はかわいそうな難病の子!?
保育園に通って大丈夫なのか。
そもそも受け入れてもらえるのか。
保育園に入れても私は仕事ができるのか。
諸々不安だらけだったけれど、あまりの急な展開で入園前に相談する時間もなく。
とにかく予定通り入園式へ!
通うのは、広島市にある私立認可保育園。
お兄ちゃんとお姉ちゃんは幼稚園に行ったので、保育園の入園式は初めて。
私は小学校の入学式用の白いスーツなんて着こんで参加してみたけれど、他の保護者は思ったよりカジュアルな雰囲気の人も多い。
保育園の入園式は、イメージしていた幼稚園の入園式みたいな固いものではなくて、手作り感あふれるアットホームな会だった。
まずは、ニコニコといかにも優しい園長先生のお話。それから3、4日とりあえず練習してきました!みたいな感じの、でもみんな元気で楽しそうな、5、6歳児さんたちのお歌とか♪
全体的に良い感じにゆるい(笑)とってもアットホーム♪
(なんか、もしかしてやっていけそうかも・・・)
お姉ちゃんが通った幼稚園だったら、入園式に年長さんの合唱があったら、ピシッと揃った制服で入退場までみっちり練習した完璧な歌を披露しそうだけど・・・(それはそれで良いとして)。
このなんとも個性あふれるアットホームな入園式は、まだ検査も終わっていなくてこれからどんな症状が出るか分からない病気の娘を、受け入れてもらえるかもしれない、と思わせてくれた。
実際、入園後すぐ病気のことを先生に相談して、その後園長・副園長先生も一緒に説明をする機会を頂いた。そして、ありがたいことに保育園としては完全に受け入れ可、何でも相談してくださいね! というあたたかいスタンスで迎えてくださった。
保育園在園中、てんかんの発作や発達の遅れなど、いろんなところでいわゆる「普通の子」とは違う娘を、特別扱いするのではなく、必要なケアをしながら個性に合わせた対応をしてくださった保育園の先生方。
小学校以降ではなかなか難しい、インクルーシブル(=障害の有無に関係なく共に学び、共に育つことができるようにしよう、最初から分けずに包みこもう、という概念)な環境で保育園の4年間を過ごせたことは、娘にとっても、私にとっても、宝物のような時間だった。
先生方と、自然に一緒にすごしてくれたクラスのみんなには本当に感謝しかない。
とにもかくにも、そうして娘は、衝撃の診断と検査通院のバタバタの中、素敵な保育園ライフをスタートしたのだった!!
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。