vol.1 はじめに。
娘には、「結節性硬化症」という難病指定の病気があります。
病気が分かったのは娘が2歳のとき。
最初は病気とは気が付かないほどの小さな小さな異変から始まり、病気かもしれないという不安が確信になり、検査を受け診断されたのが、この病気でした。
現在、娘は毎日たくさんの薬を飲みながら、定期的に通院しながら、障害はありますが元気に通学しています。
このコラムは、娘がある日突然難病と診断されてから、娘の病気や障害と向き合いながら子育てをする奮闘記です。
娘は、本当にごく普通の、笑顔が可愛い女の子でした。
2013年11月、娘は3220グラムで元気に産まれてきました。
3兄弟の3人目。ちょっと年の離れたお兄ちゃんとお姉ちゃんにとってもかわいがられて、大きな目をキラキラさせていつもにこにこ機嫌の良い赤ちゃんでした。
特に変わったことといったら、産まれてから髪の毛がふさふさと上に伸び続けて、会う人会う人に突っ込まれるほど髪の毛が逆立ってたことくらい。抱っこするとふわふわの髪の毛が私の顎に当たるのが気持ち良くて、いつもすりすりしていました。
それからも普通に笑ったり泣いたり、小さいことで悩んだりしながら成長し、身体はちょっと小さめ、発達もちょっとゆっくりめだったけど、そこまで心配するほどとも思わず。
1歳半検診でも
「発達が少しゆっくりめだから気になるようならまた相談してくださいね」
と、言われた程度。
まさか娘に病気があるなんて想像すらできるはずもなく、私は日々忙しく、普通に3児の子育てに奮闘していたのでした。
娘が2歳になったあの冬の朝までは…
「結節性硬化症」とは
結節性硬化症(英語ではtuberous sclerosis complex)は、脳、腎臓、肺、皮膚、心臓など全身のさまざまな場所に腫瘍をつくったり、症状を引き起こしたりする病気です。症状としては、てんかん発作や、言葉や読み書きなどの発達に遅れが出る(精神遅滞)、人とうまくコミュニケーションが取れなくなる(自閉症)、頭痛、吐き気、お腹の痛み、尿に血が混じる、血圧が高くなる、息苦しい、脈が乱れる、歯の表面にくぼみができる、などがあらわれます。
これらの症状がおきるかどうかや、症状の程度は年齢によっても異なりますし、個人差も大きいのが特徴です。
結節性硬化症と診断されたからといって、必ず病状があらわれるとは限りません。何も問題なく一生を過ごせる場合もあります。
※ノバルティスファーマ株式会社「結節性硬化症のひろば」より
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。