穏やかな大野瀬戸の海沿いに3月、民間美術館「下瀬美術館」(大竹市)がオープンしました。人形、花器、陶器、絵画など多岐にわたる展示美術品は、建材製造販売の丸井産業(広島市)を創業した下瀬家が収集。世界的な建築デザイナー・坂 茂(ばん しげる)氏が設計し、造船技術を活用した可動式の展示室、植物庭園、レストラン、ヴィラ(宿泊施設)など備えます。”アートの中でアートを観る”コンセプトで、美術品だけでなく館内も感性をくすぐる空間です。
下瀬美術館のエントランスには、受付、ミュージアムショップ、ミュージアムカフェがあります。天井の梁から柱へとアーチ状になった木のデザインが印象的です。
デザート(1200円〜)、コーヒー(780円)、紅茶(780円)など楽しみながらひと息つくことのできるカフェ。館内を巡ったあと、家族や友人と語らい合う時間も感性を刺激するはずです。天気の良い日は屋外の席も使えます。椅子は坂氏のデザイン。
望洋テラスの目の前に青、黄、黄緑などカラフルな可動展示室が並び、さらにその先に菜の花畑が広がります。大野瀬戸や島々も見渡せ、自然とアートの連なりを一望できます。
カラフルで目をひく8棟の可動展示室。水位を上げて浮かせることで、配置を変えることができるそうです。
開館記念展「おひなさまと近代美術 ー丸平の人形からガレ、マティスまでー」を5月7日(日)まで開催。下瀬家が半世紀以上かけて集めてきた「下瀬コレクション」約500点のうち約150点を、企画展示室と可動展示室の両方で展示しています。
企画展示室では、下瀬家が美術品を集めるきっかけになったという丸平大木人形店(京都府)の雛人形や御所人形などが並び、愛らしく豊かな表情を見せています。
8室の可動展示室では、エミール・ガレの花器やランプのほか、日本画や西洋美術など部屋ごとにテーマを設け展示中です。
美術館の外にあるのは「エミール・ガレの庭」と名付けた庭園。植物学者でもあった工芸家、エミール・ガレの作品に登場した草花や瀬戸内の気候に合った植物約250種が、四季折々の彩りを見せてくれそうです。
国内外から観光客が訪れる新スポットとして大竹市に誕生した下瀬美術館。プロモーションアシスタントマネージャーの吉田帆香さんは「作品の魅力、建築のおもしろさ、瀬戸内海の広さに触れ、非日常を味わって。心に風を通してリフレッシュしてほしい」と来館を誘っています。
5月14日(日)から、「エミール・ガレ―アール・ヌーヴォーの花器と家具」を開催予定です。
施設名 | 下瀬美術館 |
場所 | 大竹市晴海2丁目10-50(Googleマップ) |
電話 | 0827-94-4000 |
開館時間 | 9:30〜17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(祝休日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間 ※ショップ、カフェ、レストランは年中無休。 |
観覧料 | 一般:1800円 高大生:900円 中学生以下 : 無料 ※団体、大竹市民割引あり。団体は事前申し込みが必要。 ※障害者手帳のある人およびその介助者(一人)は無料。 ※音声ガイドの利用は無料。 ※エミール・ガレの庭、望洋テラス(展望台)も観覧可。 ※特別展の観覧料はその都度定める。 観覧チケットのWEB購入はこちら。 当日受付で購入も可能。 |
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