廿日市市佐伯地域一帯を舞台とした第70回佐北駅伝大会が12月11日、開催されました。節目を迎える記念すべき大会に53チーム300人が出場。地域住民の声援を受けながら熱い走りを見せ、一般男子の部は「チームええ感じ」が優勝を飾りました。高校男子の部は「広島工大高」、中学男子の部は「広島三和」、一般女子の部は「比治山女子高校A」、中学女子の部は「古田中学校」が一位に輝きました。競技のほかにも尾方剛さんらを招いたミニマラソンや子ども向けの走り方教室なども催され、節目を盛大に盛り上げ幕を下ろしました。
駅伝競技は各部とも玖島の大沢峠をスタートし、友田、津田を通過し、さいき文化センターのゴールを目指すコース。一般男子・高校男子の両部は栗栖・浅原を経由する全6区の約28㎞。ほか3部は遠回りしない全5区14.6㎞を競いました。
「チームええ感じ」は、1区2区を一位で通過。3区で2位に食い下がるも5区で挽回し、2位と2分以上の差を付けてゴール。アンカーと務めた本光健裕さん(19)は「チームとして力を合わせてとった優勝はとてもうれしい。アップダウンのコースが楽しめた」と喜んでいました。
「広島工大高」は、1区でトップから24秒離されるも2区で首位に立ち、続く各区で2位と差を広げ3分以上引き離しフィニッシュ。6区を走った広兼聡希さん(2年)は「メンバーの思いをつないだ結果なだけに、喜びも大きい」と仲間と達成感に浸っていました。
「広島三和」は1区から後続に1分近くの差を付け独走。続く2区・4区・5区でさらに突き放し、2位と2分22秒の差を付けてゴールしました。
「比治山女子高校A」は、1区でトップグループに入り込むと、2区から引き離しにかかり、2位と2分40秒の差を付けてゴールテープを切りました。4区を担当した小田原彩乃さん(3年)は「ラストの登りがきつかったが、走りやすいコースだった。次も出場したい」と満面の笑みを浮かべていました。
「古田中学校」は、1区からトップをキープ。さらに各区間で2位と差を広げ10分29秒でゴール。一般女子の部でも5位に入る好タイム。4区を走った玉井美羽さん(3年)は「今大会に向けてみんなで練習した成果が発揮できた。チームで頑張った分、喜びも大きい。アップダウンのコースは大変だったが、楽しめた。次も出場したい」と話していました。
記念事業としてキッズ走り方教室が真幡神社の広場であり、元陸上選手でオリンピック日本代表の尾方剛さんら6人が指導員として参加。5歳〜小学生の約40人が、ストレッチやラダー、追いかけっこゲームなどで体を動かしながら基本的な動作を学びました。廿日市市立津田小学校の中村麻斗さん(5年)は「野球をしているので、足が速くなりたいと思って参加した。きょう習った股関節のストレッチを続けていきたい」と満足した様子。母親も「普段しないような動きをしていたので、瞬発力が身について足が速くなってくれたら」と期待を寄せていました。尾方さんは「自分が関わってきた競技で、歴史ある大会に携われて光栄。きょうの教室がきっかけになって、子どもたちが何か走ることに取り組んでもらえたらうれしい」と、笑顔を見せていました。
会場周辺を走るミニマラソンも実施。尾方剛さんや松本太郎市長が子どもたちと一緒に走り、地域に活気を与えていました。大会最後には、2500個の紅白もちをまき節目を祝っていました。
同大会実行委員会の古田正貴大会会長は「開催にあたり多くの難関があったが、参加者の満足そうな表情に、今は達成感で満たされている。継続について大きな課題はあるが、今日まで佐北駅伝をつないできた方々の思い・努力を顧みると、簡単にやめることはできない。皆で知恵を出し合い続けていきたい」と断固たる決意を見せます。表彰式に登壇した松本太郎市長も継続について前向きな姿勢を見せ「選手がたすきをつなぐように、これまで地域の皆さんや関係者の努力によってこの大会は継続できている。歴史的な佐北駅伝をいかに続けていくか、行政も一緒になって考えなければならない。来年以降も開催できるよう私たちも努力することを誓う」と声に力を込めていました。
【入賞者(各部上位3チーム抜粋、()内はタイム)】
〈一般男子の部〉①チームええ感じ(1時間27分42秒)②廿日市AC–A(1時間29分58秒)③大竹市陸協(1時間31分3秒)
〈高校男子の部〉①広島広大高(1時間30分4秒)②基町高校(1時間33分12秒)③宮島工業高校・広島観音高校(1時間33分45秒)
〈中学男子の部〉①広島三和(50分43秒)②廿日市中学校(53分5秒)③佐伯魂(53分54秒)
〈一般女子の部〉①比治山女子高校A(49分8秒)②比治山女子高校B(51分48秒)③市立沼田高校(53分7秒)
〈中学女子の部〉①古田中学校(55分45秒)②廿日市中学校(1時間1分23秒)