廿日市市佐伯・吉和地域の事業者などで組織する「はつかいち森のあそび場協議会」がSDGs教育旅行として研修プログラムを開発し10月20日・21日、初めての宿泊研修を受け入れました。広島大学附属小学校5年生63人が両地域を舞台とした体験学習を通して、森林と災害との繋がりや危険性、相互理解など幅広く学びました。
はつかいち森のあそび場協議会は、2021年4月に発足。廿日市市佐伯・吉和両地域観光関連の事業者を中心とした10団体で構成。両地域の魅力向上や誘客、修学旅行や研修体験などプログラム開発・提案、受入態勢の構築など幅広く取り組んでいます。
子どもたちは、佐伯国際アーチェリーランドでフィールドアーチェリーとワークショップを体験。的を射ながら森の中を周り、木々や川を観察。間伐の必要性や川と農作物・海とのつながりなどを教わりました。ワークショップでは伐採を見学し、切り出した間伐材や竹で背丈以上のブランコや丸太の一本橋の制作に挑戦。大まかな構造や制作工程のみ説明を受けた子どもたちは、相談・失敗を繰り返し、泥だらけになりながら完成させました。
広島大学附属小学校では例年、山の学習として登山体験を実施。変わりゆく社会情勢を踏まえ内容の見直しを図っているそうです。今回の研修に同行した間瀬茂夫校長は「子どもの関心や生活が変わる。ただ体験するだけでなく、時代にあった内容にする必要がある。間伐作業やフィールドアーチェリーなど危険が伴うことでも、ルールを守ることで安全で楽しいものになる。自然は楽しさと恐怖が入れ替わる。今回の体験を通して、子どもたちの体に記憶され、自然に対する印象が変われば」と、成長を期待していました。
今回のプログラムのコンセプトは「森で育む生命(いのち)の源流教育」。佐伯・吉和地域を舞台としたスポーツや自然体験を通して、相互理解力や、冒険心、貢献心、食育の習得、平和の大切さを理解する心の育成を目的にしているそうです。はつかいち森のあそび場協議会の戸野真治会長は「今回の受け入れに関するノウハウを会員同士で共有し、さらに内容の充実していきたい。課外活動といえば廿日市市といわれるよう、魅力あるものにしていく」といいます。今後は、宮島・宮浜温泉と連携した受け入れも視野に進めていくそうです。
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