ライター/Parade 仲尾 光平
「ひろしまクリエイター図鑑」と「西広島タイムスわくわく+」が、地元・広島のクリエイターを応援しようとコラボレーション。多彩な才能にあふれるクリエイターを連載でご紹介します。
ひろしまクリエイター vol.7
kokyu(コキュ)
今回は、布小物作家のkokyuさんの紹介です。
「ベビーから大人まで毎日使いたくなる」
そんな布小物を製作されています。
他の作家さんたちと同じように、「昔から作ることが好きで~」というタイプかな?と思いきや、実は真逆だというkokyuさん。ものづくりが得意な親や手先の器用な妹と自分を比較してしまい、以前は製作することに苦手意識を持っていたそうです。
製作するようになったきっかけは何だったのでしょう?
それは7年前、お母様から、出産祝いでミシンをもらったことだったそうです。「子どもの服を自分で作ってあげなさい」というメッセージが込められていました。「私にできるかな・・・」と不安を抱きながらも、自分がしてもらったように、我が子のためにスタイなどベビー小物を作り始めたのが活動の原点だそうです。
今はベビー小物だけでなく、大人向けのアイテムもたくさん製作しているkokyuさん。その理由を聞くと、「いつか子どもが自分たちの元を離れたとき、ものづくりが自分の趣味として続いているといいな・・・」と、子どもの成長とともにそんな思いにかられ、大人向けアイテムの製作へとつながるようになったそうです。
《作品紹介》
工房紹介
取材当日、kokyuさんの制作場所はレインボー倉庫広島(広島市西区商工センター)2階のカフェスペース。カフェメニューのオーダーで利用できます。
こだわりのアイテム
裁断用のカッター(ロータリーカッター)
「刃が太く使う力も少なくて済むので、女性クリエイターにはとてもおすすめのアイテム。はさみを使うとどうしても斜めに切れてしまう布や硬い合皮でも、まっすぐスムーズに裁断できるんですよ!」と、熱く魅力を語り出したkokyuさん。だけど、「実は自分で見つけたのではなくて、昔『これから布小物作家を始める人向け、おすすめ4大アイテム!』っていう見出しのサイトで見つけて使い始めたんです(笑)」と教えてくれました。自分で見つけていなくても、本当に使いやすいからこそ相棒になってるんだと思います!
製作中のおとも
ラジオアプリのラジコ
「動画を再生してしまうとどうしても画面が気になって集中できない」ということで、耳からのみ情報を受け取れるラジオのアプリを愛用中だそう。「お菓子や飲み物とかはお共にしないのですか?」と尋ねると、「それらは布小物にとって危険な存在なので、そばに置けないのが悲しいところです・・・!」と残念がっていました。
クリエイターからひとこと
今は布小物作家として活動しているけれど、こうしてkokyuとして製作する以前は子育てに余裕がなくて、自分の楽しみを後回しにしていました。そんなときに自作の丸底バッグを自分のファッションに取り入れたら、周りに褒められ自信が付いたことが忘れられません。
自分が作ったものを褒めてもらえたことで、前よりも自信をもって、自分なりのおしゃれを楽しむことができるようになりました。持ち物一つでそんな自信が持てたのだから、自分の作品を手に取る人にも同じような体験をしてもらえたらうれしいなと思い、製作しています。
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取材後記 〜案内人から〜
文章中に登場した「器用な妹さん」は、以前このサイトでも紹介したpurpleさんのことで、お二人は製作アイテムは違えど姉妹でクリエイタ―活動をされているんです。ものづくりはどこか苦手意識を持っていたということが意外なkokyuさんですが、周りに褒められたことがきっかけで自信が持て、楽しみながら製作できるようになったというエピソードが、とても心に残りました。周りに褒められることは原動力になりますよね!しかし、言われただけで行動をしなければ何も変わらなかったはずです。kokyuさんはその自信を糧に、自分の歩みで次のステップへと行動したのです。今回の取材で、そのバイタリティを僕もしっかりと見習いたいと感じました。
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