vol.34 階段から落ちて救急車で運ばれる事件
◇2018年 秋
3歳の娘のてんかん発作は激しさを増し、数秒間ぼーっとして焦点が合わない時間があってから、ガクン!と前に落ちる発作が出ていた。
椅子に座っていたらテーブルにガツンと頭突き。床に座っていたら床に頭突き。立っていても床に頭突き。
おかげでおでこはいつでもたんこぶだらけ。担当の小児科医師と、ヘッドギアを作ってもらう相談をしていた頃だった。
その日は祝日で、娘は2階でお昼寝をしていた。
私は娘のお兄ちゃんの習い事の当番に出掛けていて、家族に留守番を頼んでいた。
お兄ちゃんの練習を見ていた私に自宅の番号から着信。
何気なく出ると・・・
お姉ちゃんが叫んでいる
「娘(の名前)ちゃんが階段から落ちて頭打った!救急車呼んだから!帰ってきて!」
私 (!!!!!!!!)←声にならない声
私はとにかく走り出しながら、
私 「どういうこと!?大丈夫!?意識は!?」
お姉ちゃん「大丈夫。意識はあるから!とにかくすぐ来て!」
私は猛ダッシュで駐車場へ。自宅までは車で5分。
帰ると家の前に救急車!
私は車を停めて救急車に飛び乗った。
ぐったりと横たわる娘。うっすら目を開けて力なく私を見ている。おでこに大きなガーゼが貼ってあって、髪の毛には生々しくべったりと血が固まって付いている。
私は救急隊員さんに聞く。
「どうなったか分かりますか?大丈夫ですか?」
私は救急隊員さんに、分かる範囲の状況を聞いた。
隊員「駆け付けた時には泣きながら暴れているような状態だったので、麻痺の心配ないと思いますよ」
気になるのか、娘が自分で頭に貼られたガーゼを触って剥がしてしまうと、右の耳の上あたりに、4cmほどの傷がばっくりと真っ赤に口を開けていた。
私 (ひぃぃぃぃぃ)
娘は、てんかんの手術で発作を抑えるための機械を肩のあたりに埋め込んでいるのでMRI(電磁波を使った画像検査)が撮れない。
私は隊員さんに手短に病気の説明をすると、搬送先病院はかかりつけの広島大学病院に決まった。
大学病院までは普段、車で30分位かかる。救急車だと速かったはずだけど、ものすごく長く感じた。
娘はうつらうつら(朦朧と?)しながらじっと横になっていた。
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。