広島市西区在住の小学3年生、岡崎茉侑(まゆ)さんは、自分で創作した物語の絵を描き、音声を吹き込んで動画配信サイトYouTubeに公開しています。子どもならではの感性が光るお話と、色彩豊かなイラスト、ゆっくり語る耳に心地良い声色は、閲覧者に楽しみと癒しを与えています。そこには、愛娘の好奇心を形にしようとサポートする両親の存在も。家の中で過ごす外出自粛の日々に家族の絆が深まりました。
家族3人で作り上げる動画
広島市立古田小学校に通う茉侑さん。未就学児の頃から絵本を読んだり歌を歌ったりすることが好きで、ほかにもいろいろなことに興味を持っていたそうです。
2年生のとき、国語の授業で書いた自作の物語を1年生に読み聞かせたところ、1年生が喜んでくれたことがうれしくて、物語を書くようになりました。母親の祐衣さんが「YouTobeにアップしてみようか」と声を掛け、好奇心旺盛な茉侑さんは迷わず「やりたい」と返答したそうです。
茉侑さんは、パソコンに物語を入力した後、場面を想像しながら画用紙に絵を描き、1枚1枚絵の具で色付け。一つの物語で20〜30枚の絵を描くそうです。
絵ができると、次は声を吹き込みます。大人顔負けの抑揚をつけて、物語を読む茉侑さん。緊張すると語尾だけ音が高くなったり、言葉を噛んだり。不要な息がマイクに拾われることもあり、聞き返しながら納得のいくまで何度も録り直します。
当初、祐衣さんと夫の純也さんは、配信はもちろん、動画を作ったこともなかったそうです。茉侑さんが物語や絵を制作する傍ら、2人で動画ソフトの使い方を勉強。茉侑さんの描いた絵を全てスキャンし、動画ソフトに取り込んだ画像をストーリーの流れに応じてセッティング、茉侑さんのセリフを画像に当てはめていくなどの工程に、「最初はすごく大変で、心が折れそうになったこともありました。だからこそ1作目を配信できたときはもう本当に感動でした」と、祐衣さんは顔をほころばせます。
コロナ禍で外出できなくても、家族3人で動画を公開するという一つの目標に力を合わせた日々。「家族で一緒に楽しんだり感動したり、外出できなくてもいろいろなことが経験できると思いました」(祐衣さん)。
「雪が美味しかったら」。感性光る物語
現在(2022年4月11日時点)、まゆいちゃんねるでは茉侑さんの作った物語を9作公開しています。
「チャーリーとあまいゆき」の物語は、茉侑さんが「空から降ってくる雪が甘かったらうれしいな」と感じたことから誕生しました。口にした雪がソーダやレモンの味がして、主人公のチャーリーが幸せな笑顔を見せています。茉侑さんが日常で感じた空想を、カラフルな色合いでかわいらしく表現しています。
物語でみんなを元気に。将来の夢は警察官
「疲れているときとかに私の物語を見て元気になってほしい」と話す茉侑さん。たくさんの人に届けるため「目標はチャンネル登録者数1万人」と、笑顔を見せます。将来の夢は、みんなの安全を守る警察官だそう。共通するのは、周囲を大切にする気持ちです。
祐衣さんは「娘が「やりたい」と思ったことはできる限りサポートしたい。いろいろなことに挑戦する中で、自分の本当に好きなことを見つけて、それをずっと続けてほしいですね」と、愛娘の成長にやさしい眼差しを向けていました。
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