vvol32. 手術の効果は…?
◇2017年冬
手術を無事に終えて元気に退院した娘。
退院後、手術の経過観察と、脇のあたりに埋め込んだ機械の調整のため、月2回の通院が始まった。
てんかん発作を抑えるためのVNS(迷走神経刺激)手術。その効果が出る可能性は「50%の人の発作が半分になる程度」と聞かされてはいたけれど、やっぱり奇跡的に効果が出て発作が無くなることを願わずにはいられなかった。
半年ほどかけて通院しながら様子を見るうち、手術前は一日に10数回あった娘の発作は少しずつ少しずつ減っているようだった。
しかし、一日7-8回と、半分程度になったところで頭打ち。やっぱり発作が完全に無くなるのは難しかった。
ー(確かに半分ぐらいに減ったのかな…。まぁ効果が出ただけ良かったとしよう)
全く効果が出ない可能性もあったので、回数が減って良かったと自分に言い聞かせつつ、つい最大限の効果を期待してしまっていたぶん、残念だった。
手術の効果がある程度見えたところで、抗てんかん薬の調整も再開。
この頃の娘は、大量の薬と発作のせいでいつも目がとろんとして眠たそうで、あまり笑わず、たまに大きい発作があると「う~。う~」と声を出して硬直し苦しそうだった。
発作が来ると、私は娘を抱きしめながら、「大丈夫。大丈夫」と、自分自身に言い聞かせるように声をかけながら、発作が落ち着くのを待つしかなかった。
それでも、機嫌が良いときはくすぐると声をあげて笑ってくれたし、保育園のお迎えに行くといつも、顔を上げて私を見つけると、遊んでいたおもちゃを放り出して一目散に
「ママー‼」
と言って私のところまで猛ダッシュしてきてくれていた。
手術でも、薬でも、やっぱり発作はコントロールできなくて、むしろ頭を地面に打ち付けてしまうような危険な発作が出てきて、結局また次の治療法を探ることになる…
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。