サンフレここだけ話 vol.3
西広島タイムスエリアの広島市佐伯区出身でサンフレッチェ広島の広報として活躍する浜田晃(はまだ こう)さん。
このページは、浜田さんがサッカーの広報を通して感じたスポーツや地域の魅力を、自由に楽しく真剣に紹介するコラムです。
サンフレチームのウラ側も登場するかも!?
初回のコラムはこちら↓
広島の地で育成した子どもたちをJリーグの舞台へ
今回は、サンフレッチェ広島が大切にしている価値の一つ、『育成型クラブ』ついてお話したいと思います。
皆さんの頭の中では、「そもそも育成型クラブってなんだろう?」という疑問が浮かぶのではないかと思います。
スポーツ界では今でこそよく聞くワードとなり、多くのクラブが育成、つまり子どもたちに投資をするという考え方が浸透しています。
しかし、歴史を紐解くと、プロサッカークラブができた当初は、アカデミーや育成といった概念はなく、今、その場で実力のある選手を集め戦うということが常でした。
そうすると、何が起こるでしょうか?
各クラブは実力のある選手を集めようと他クラブよりも高い年俸を選手に提示し、選手側もより良い環境、年俸を受け取れるチームを選択するようになります。
その結果、クラブとしてはどんどん費用が増える構造となっていました。
●苦しい経営の中、見出した理念●
急速に費用が膨らむ中、サンフレッチェ広島としても経営が苦しくなり、「身の丈に合った経営をしながらクラブとして今後どういったチーム作りを行うべきか」「憧れのクラブであり続けるためにはどうしなければならないか」を、会社として方向性を定める必要が出てきました。
そうしてできたクラブ理念が、現在も掲げている、
『サッカー事業を通じて、夢と感動を共有して地域に貢献する。そして日本一の育成・普及型クラブを目指す』
というもの。
クラブを未来永劫存続させるためには、
広島の地でサッカーを普及し、育成し、自前で選手を育て、その地元の子どもたちがJリーグという舞台で活躍する。その姿を見た人たちに夢や感動を共有し、地域に貢献すること。
それが長期的に考えた際のクラブのやるべきことだと定めたのです。
そこからユース寮の整備や、スクール・サッカー教室の展開など、普及・育成に本格的に”チカラ”を注ぎました。
「サッカー選手である前に、まず社会人たれ」
また、クラブはお子さんたちを預かる身として大切にしている価値観があります。
それは、
『サッカー選手である前に、まず社会人たれ』
『サッカーを教えるのではなく、サッカーで教える』
というものです。
スポーツだけ、サッカーだけが上手になっても一流の選手にはなれない。まずは一人の人として成長し、豊かな人間性を育むことが重要で、そんな子どもたちを育てたい、という想いを持っています。
普及・育成は種まきであり、短期的に結果が見えるものではありません。プロの選手になるのはほんの一握りです。
長い目で見て、
「サンフレッチェ広島のスクールやサッカー教室、アカデミーに通ってよかった」
「人間として成長することができた」
と想ってもらえる、そんなクラブになれていたら地域に少しでも貢献できたといえるのではないかと思っています。
次回は、クラブがおこなっている地域貢献活動・社会貢献活動である『ホームタウン応援活動』についてお話したいと思います。
前回のコラムはこちら↓
1990年生まれ。佐伯区の彩ヶ丘小学校→三和中学校から、広島皆実高校へ進学。高校3年のとき、全国高校サッカー選手権大会で優勝した経歴を持つ。二年前、大手企業からサンフレッチェ広島へ転職し、広報に従事。チームのPR活動はもちろん、サッカーを通じて地域貢献活動にも尽力する。
※サンフレッチェ広島の広報”ハマコー”こと浜田晃さんの「サンフレここだけ話」は、”サンフレッチェ”の名にちなみ、毎月「3(サン)日」に配信します。次回は、12月3日です!お楽しみに!