還付金詐欺増え警察が注意呼び掛け
広島市西区で、特殊詐欺被害が増えています。特に還付金詐欺が急増しているようです。
被害が増加していることから西区を管轄する広島西署が10月12日〜14日、「特殊詐欺ZERO集中対策」を展開。区内4カ所の現金自動預払機(ATM)周辺で啓発物を配ったりパトカーで注意を呼び掛けました。
還付金詐欺で60歳代後半の被害増加
同署によると、今年1月〜9月末の特殊詐欺認知件数は5件412万円。特に9月末以降は、少なくとも6件約1900万円の被害が発生しているそうです。
特に還付金詐欺の被害が増え、4件約450万円を占めます。
事例の一つとして、西区役所職員を装った人物から被害者宅に「介護保険料の還付があります」という電話があったそうです。電話が切れた後、今度は金融機関を名乗る人物から電話がありATMへ誘導。言葉巧みにATMを操作させ、被害者が気付かないまま振り込み限度額に近い金額を振り込ませる手口でした。
被害者は、4件とも60歳代後半。以前は70歳以上が狙われるケースが多くありました。特殊詐欺防止を目的に、70歳以上を対象にATMでの引き出し限度額を一部引き下げる動きが広がっていることもあり、60歳代が狙われているようです。
還付金詐欺は、西区だけではなく県内でも増えています。昨年、県内では被害が確認されませんでしたが、今年は9月末までに30件ありました。
不審電話は切り家族か警察に相談を
広島西署では、特殊詐欺の手口を書いたチラシやティッシュペーパーなどの啓発物を計600セット用意。広島銀行広島西・己斐両支店、レクトとアバンセ古江店のATMコーナー付近で三日間にわたり警察官が配布しました。広島銀行広島西支店では署員2人が、「特殊詐欺被害が増えています。気を付けてください」と声を添え販促物を配っていました。
パトカーが巡回しながら、車載スピーカーで「減らそう犯罪」推進モデル校である市立中広中の生徒による注意喚起を放送。西区役所とも連携し、防災行政無線を活用して広く市民に被害に遭わないよう訴えました。
広島西署生活安全課の船津和之課長は「特殊詐欺はさまざまな手口があるが、昔とは大きく変わっていません。電話でお金の話があったら、詐欺を疑ってほしい。すぐに電話を切り、家族か警察に相談してほしい。家にいるときでも常に留守番電話に設定したり、防犯機能付き電話への切り替えも有効」と対策法を話しています。