vol.22 脳にメスを入れる手術!?
◇2017年夏
娘のてんかん発作はだんだん増えて、1日3~8回、さらに週に数回は5分を超えるような大きな発作もあり、薬ではコントロールできない状態に陥っていた。
薬で発作が抑えられないので、手術をして改善する可能性がないか判断するため、検査入院をすることになった。
「結節性硬化症」という病気は、体内のあちこち(脳・心臓・腎臓・肺・眼底など)に「結節」というごく良性の腫瘍のようなものを形成してしまう。
娘の脳には、この「結節」がたくさんあって、その「結節」のうちのどれかがてんかん発作を起こす震源地になっているそうで。震源地になっている「結節」の場所を特定してそれを手術で切除できないか、検討するための検査だった。
脳を切除する手術は、頭蓋骨を開けての「開頭手術」になる。
全身麻酔をして頭にメスを入れ、頭蓋骨を開けて脳の一部を切除するなんて、考えただけでゾッとしてしまう。
ただ、娘の場合は、震源地になりそうな結節がたくさんある(脳のMRI画像を素人目に見ても軽く10個以上!)。
複数の結節が発作を起こしている可能性が高いし、仮に特定できて切除できたとしても、また別の結節が発作を起こしてしまう可能性が高かった。
―(治る可能性が低いのに開頭手術なんて…!)
ただ、手術が出来ないということは、薬で全くコントロールできなくなっている今、もはやてんかん発作が完全におさまる可能性はほぼないといわれるようなもの…。
何かいい方法が見つかることを祈りながら検査を受けるしかなかった。
※このコラムは、西広島タイムス紙面に2019年から連載した内容を加筆・修正して掲載しています。
【 コラム作者 】
広島市在住の3児の母。
末娘が2歳のとき「結節性硬化症」という難病と診断される。
子どもの病気や障害と向き合いながら、子育てや仕事に毎日奮闘中。