廿日市市大野の大頭神社境内にある稲荷神をまつったほこら(祠)が、宮島工業高校(廿日市市物見西)建築科の生徒らによって再建されました。10月17日、稲荷神のご神体を新しいほこらに移す神事が執り行われ、生徒や大頭神社の総代数人が参加。ヒノキを組み合わせた木肌の美しいほこらに、目を細めていました。
ほこらは高さが1.4m、横幅と奥行きが1m。屋根には銅板が貼られています。以前のほこらは1913年以降に作られたとされ、老朽化が激しかったそう。約3年前に神社が宮工高に再建を依頼したそうです。
建築科の沖野浩明先生は、当初「高校生の力で再建するのは難しいと感じた」と言います。木の組み方が、昔の宮大工が作った複雑な方法だったそう。しかし、生徒たちは、カンナで削る力加減を調整しながら何日もかけて屋根の木に丸みをつけたり、ほこらに飾る竜やバクを彫るため彫刻師のところへ学びに行ったりして、熱心に作業を進めていたそうです。
今年3月末、ほこらが完成。中心となって作業した生徒は卒業しましたが、部活動の建築部に所属する2年生5人が引き継ぎ神社に届けました。
大頭神社の松原弘毅宮司は「以前のほこらは老朽化していて、参るたびに胸が痛かった。高校生が思った以上に良いほこらを作ってくれた」と安堵した様子。10月22日(土)と23日(日)は秋祭りが開かれる予定で、「きれいになったほこらを、たくさんの人に見に来てほしい」と心待ちにしていました。
名称 | 大頭神社 |
住所 | 廿日市市大野5357(Googleマップ) |
電話 | 0829-55-0378 |
HP | http://www.ogashira.jp/ |
※当サイトの掲載内容は、取材または公開したときの情報に基づいています。