“誰もが生き方の選択肢をたくさん持てる繋がりの場を創る”をモットーに活動している団体・Firste(ファステ)の光井です。毎回場所を変え、新たな人間関係を作りたい人が集う「つながりの輪プロジェクト」で訪れた場所を紹介します。
※西広島タイムスとFirste(ファステ)のコラボ企画です。
Vol.2 みやうち冒険あそび場【鎗出第3公園】
「つながりの輪プロジェクト」第2弾は、Firsteの新メンバー・りささんと一緒に、廿日市市宮内工業団地内にある鎗出第3公園で、毎月1回開催されている「みやうち冒険あそび場」に行ってきました。
みやうち冒険遊び場の会が主催し、参加費無料、申し込み不要で、いつ来ていつ帰ってもいい自由な遊び場をつくっています。遊具のない素朴な公園が、月に1回の特別な日にどのように変わるのか、わくわくしながら参加してきました!
遊ぶ前、公園入口の受付で「みやうち冒険あそび場」の趣旨を理解した上で同意のサインをします。子どもの名前を書いたテープを服に貼ったら、自由時間のスタート!
「みやうち冒険あそび場」で大切にしている考えは写真の通り、自分の責任で自由に遊ぶこと。
公園で何をして過ごすのか、また、公園に来たからと言って遊ばない選択をしてもいいという自由に過ごす空間です。写真の掲示物の文言は、「日々我が子に対してどのように声をかけていただろうか、親にとって都合の良いように『~しちゃダメ』『危ないからやめて』と無意識に伝えていなかっただろうか」と、考えさせられる内容でした。
掲示物の先には、体中泥だらけになった子どもたちがはしゃいでいました。普段は何もない広場に、自由にショベルやバケツで穴を掘ったり水を入れたりして、気持ち良さそうに遊んでいます。
ショベルやバケツなどは、自宅から持ってこなくても、みやうち冒険あそび場にあるものを自由に使うことができます。泥だらけになった子どもは近くの水道で全身を洗って着替えていました。
たき火のエリアでは、水遊び後の子どもが温まったり、自宅から持参したマシュマロなどを焼いて家族と食べたり、木を燃やしたり、子どもたちが思い思いに行動しながら危険なことも一緒に学んでいました。
たき火で沸かしたお湯を使って、初めてカップ麺を食べる経験をした子もいるようでした。
別のエリアでは、のこぎりや金づちなどを使って廃材を自由に加工し、好きなものを作ることができるようになっていました。基本的には親が見守り、子どもが「助けてほしい」と言ったらサポートするようなスタンスで工作します。
完成品を作ることが目的ではなく、「のこぎりを使ってみたい!」「釘を打ってみたい!」という、子どもから湧き上がる衝動に任せて、やりたいだけやってみる経験を大切にしているそうです。
この日はハンモックが木に取り付けてありました。ハンモックで遊びたい人が自分で用意するそうです。虫を捕まえるのに必死で、大きな木によじ登って少し怖い思いをしていた子どもたちも。チョウチョやバッタを捕まえるのに走り回っていたのが印象的です。
空の下でゆったりと絵本を読むことができるエリア。自宅で読まなくなった絵本を寄付する子もいました。親としても、自宅では家事に追われてゆっくり読み聞かせることが難しい時間もありますが、日常から離れた感覚で遊びに来たこの場所ではゆったりと子どもが好きな本を読んであげることができました。
最後にみやうち冒険あそび場の会の代表・寺本光児さんとお話ししました。
「子ども時代に経験する五感を通した世界との関わりが『原体験』として人間形成に大きく影響を与えます。子どもが『やってみたい!』と思ったその興味や衝動を、いますぐに「やってみな!」と言ってあげることこそが、生きた学びの場であると思っています。子どもたちが『いま』を生きて輝ける場を作りたいと思って、子どもたちともに作り続けているのがみやうち冒険あそび場なのです」と、原体験の重要性を語ってくださいました。
Firsteの新メンバー・りささんは、娘さんが2歳のときに初めて「みやうち冒険あそび場」に参加しました。「遊んでもよし。遊ばなくてもよし」と書かれているチラシを読んで、「遊ぶことさえも自由なんて素敵!」と思ったのと同時に、親として知らず知らずのうちに「遊ぶことを娘に強要していたのかもしれない」と気付いたそうです。
「みやうち冒険あそび場」に何度も足を運ぶようになると、毎回違うあそび場の姿を楽しむことができます。大人がすべてをお膳立てして完璧に道具を準備した遊び場を作ってしまうと、子どもが自分で場を作ったり変えたりできるという本当の面白さに気が付きません。
“子ども自身が自分で過ごし方を決めること”の大切さを大人が理解して参加することで、今、目の前の我が子にとって必要なことや、親として子どもに対しどのようなサポートをしていくといいかを見つめ直すきっかけとなりました。
みやうち冒険あそび場(主催:みやうち冒険あそび場の会) |
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場所 |
廿日市市宮内工業団地内2−33 |
開催日 |
2022年度は第4日曜日 10:00~15:00 |
トイレ |
あり |
駐車場 |
あり |
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