なりたい自分を思い描く
運動会がありました。運動会を通して子どもが成長していることをうれしく思います。急に足が速くなったと思ってそのことを子どもに言えば、少し誇らしそうにしています。きっとこの子どもは風を切って走る感覚を身につけたのでしょう。聞けば、「速く走れるようになりたいので休みの日にはいつも走っていた。」と言いました。「ぼくは速く走るコツをつかんだ。」と言う子どもがいました。「お父さんから、つま先をついて強くけるようにと言われ、試してみたら速く走れた。」と言いました。速く走りたいのでこうすればいいかな、ああしてみたらどうかなと試行錯誤して、これでうまくいくと確信したのでしょうか。運動会で活躍したいと願い、なりたい自分を思い描いて、考えて行動する姿がありました。
一輪車に乗ってリレーをする競技がありました。一輪車に乗るのは簡単ではありませんが、上手に乗れるようになっていました。運動会の競技で一輪車に乗ることになったので、かんばろうと思って練習を始めた子どもがたくさんいました。そのうちにだんだんとできる子どもが増えてきて、一輪車で鬼ごっこをするようになり、おもしろくなってきたようです。やらなくてはではなく、やりたいに変わりました。できていない子どもは鬼ごっこがおもしろそうだからと練習に意欲を向けて、外からの意欲と内からの意欲が相まってできるようになりました。
5年生になって応援係をした子どもがいました。どちらかと言えばおとなしい子どもだったので、チームの全体に応援の指導や指示をする役目の応援係は意外でした。運動会が終わって、その子どもが、「応援係をやってみて良かった。」と言いました。運動会当日に応援の拍手の指示をした時に、やってくれない人がいたので困ったこともあったけれど、チームの息がぴったり合って応援ができた時は気持ちが良かったと言います。5年生になったら応援係をしてみたいと以前から思っていたようで、その夢がかなったと喜んでいました。心を一つにする心地良さを感じ、みんなでやり遂げる喜びを経験し、ひと回り大きくなったようです。
運動会の後、1年生が手紙をくれました。
やすだ小学校ではコロナがはやっている中、うんどうかいができることをとてもうれしくおもいます。わたしは、一年生になってはじめてのうんどうかいでコロナでちゅうしになるのかとかなしんでいました。すると、学校でうんどうかいがあることをきき、みんなのおかげだとおもってしっかりれんしゅうをつづけるとあっというまにうんどうかいでした。そのひにはやすだ小学校にはいってよかったとおもいました。わたしは、やすだ小学校がだいすきです。これからもいろいろなことにちょうせんして、たくさんのことをしっていきたいです。
運動会ができることを喜び、なりたい自分を目指してやり抜くことで子どもは成長するのだろうと思います。